野球やゴルフなど球を打つ球技の多くは、腰の使い方をマスターすることで上達レベルがグッと上がっていきます。
ビリヤードにおける腰の使い方をみていきましょう
1. 腰の向きについて
ビリヤードのフォームはかなり特殊です。
スタンスは斜めを向いているのに顔は手球と正対していて、上半身と下半身が違う運動をしているようなものです。
そしてグリップ側の肘から下以外は制止していることが求められます。
体幹を支える腰の向きはどうなのでしょうか。腰も横向きなのか手球に正対なのか。
答えは、手球に対してできるだけ正対する事です。
スタンスが横を向いているため完全には正対できませんが、腰まで横を向いていると顔も斜めを向いてしまいます。
これでは正しく厚みのラインを取ることができませんし、無理に顔だけ正対させようとするとブリッジ側の肩に顔がくっつき非常に窮屈なフォームになる上、腰を痛める原因になります。
ストローク時に腰が手球方向に正対しているかをチェックしながらフォームを作っていきましょう。
疲れてくると腰が正面を(つまり斜め)向きはじめるので、キューが内側から外に向かって出ていく状態になります。
意識してしっかり修正しながらプレーをしていかなければなりません。
野球のバッティングでも、ピッチャーから投げられた球を打つ瞬間はどのバッターの腰もピッチャーに正対しているのがわかります。
最近オープンスタンスのバッターが多くなったのも、始めからピッチャーと正対しておいて来る球の軌道をよく見えるようにするためで、ビリヤードのスタンスと通ずるところがありますね。
2. 腰の高さについて
つぎに、腰の高さについてです。
腰の高さなんてどこでもいいだろうと思うかもしれませんが、フォームについての大事なポイントになります。
ビリヤードの台の高さは床から75cm~80cmとルールブックに規定されています。
日本人男性の平均的な股下がちょうど台の高さと同じ程度と言われています。
ということは、スタンスを取って構えると平均的な身長と股下の男性ならば腰の位置が台の高さになるということです。
ストロークする手の理想的な高さはまさにその腰の位置にあるため、グリップする位置が台と水平に近くなってくることがわかります。
背が平均より高い人は、その分スタンスを広げて膝を曲げて腰の位置を調節する必要があります。
女性の平均股下は男性平均よりも7~8cm短いので、その分ヒールが高いかソールの厚い靴を履くのがベターと言えるでしょう。
いかがだったでしょうか。
ビリヤードもれっきとしたスポーツですが、まだまだスポーツ科学的な面で発展していない競技なので自分で検証していけばどんどん新しい発見が出てきます。
自分のフォームを見つめ直して上達の糸口を掴んでいきましょう。