引き球は、ラシャとの摩擦に反してバックスピンをかけるショットなので、鋭いキュー切れが肝です。
ポイントや練習方法を見ていきましょう。
1. チョークをしっかり塗る
意外と見落としがちなのが、チョークです。
ビリヤードのキュー先にはタップが付いており、これにはいくつかの材質のものがありますが、どれも摩擦に関してはあまり強くありません。
そこで、チョークをしっかり塗って、手玉とキュー先の間に強い摩擦を起こりやすくします。
引き球の場合、キュー先のエッジの部分で手玉をつくので、キューの頭だけでなくエッジの部分にもしっかり塗ります。
2. 下の撞点を撞く
引き球は、撞点が下です。これにより、鋭い後回転がかかります。
注意点は、キューをできるだけビリヤード台と水平にストロークすることです。
なぜなら、角度をつけてしまうと、キュー出しが阻害されるからです。
上述したように、引き球は鋭いキュー切れが肝ですが、キュー切れを上げるために必要なのがキュースピードです。
キュースピードは、キューが手玉に当たる瞬間に上がっていないといけないのですが、キュー出しが少ないと、その瞬間のキュースピードも遅くなることが多いようです。
また、どのくらい下の撞点を撞くかですが、慣れるまではタップひとつ位から始めましょう。
上達するにつれて、より撞点を下げていき、上級者になると、ラシャスレスレのところを撞くこともあります。
下を撞きすぎると、手玉がジャンプしてファウルショットになってしまうことを怖れる人もいますが、上述したように、しっかりとチョークを塗っていれば、ラシャスレスレのところをかなりのキュースピードで撞いても飛びません。
チョークをしっかり塗っても飛んでしまう場合は、撞点が真下ではなく左右にずれてしまっている場合がほとんどです。
3. 引き球のコントロール
しっかりと引けるようになっても、どのくらい引くかをコントロールできないと、ビリヤードの実戦では使えません。
そこで、手玉、的球、ポケットを一直線上において、同じ場所で引き球の練習を繰り返します。
ショットスピードと撞点の関係で、手玉がどのくらい戻ってくるかを覚えていきます。
更に、手玉、的球の距離も変えていき、最終的には手玉と的球の距離、ショットスピード、撞点の3つの要素を実際に引いてくる距離の関係をつかみます。
この関係をしっかり把握した後に、的球と手玉に角度をつけた場合の練習をします。
引き球で角度のある球を撞くと、衝突後の分離角が大きくなりますが、どのくらい大きくなるかを直線上に置いた時と照らしあわせて確認します。
また、手玉と的球の角度によっても引き球と分離角に与える影響は変わります。
つまり、最終的には手玉と的球の距離、角度、ショットスピード、撞点のすべての要素で手玉の動きが決まります。
これらを身体で覚えていくと、上達が非常に早くなるでしょう。