ナインボールは、ビリヤードの競技の中で最もポピュラーなゲームの一つです。
そして、ナインボールに限りませんが、上級者やプロはもちろん、初心者や中級者ですら、ファールをすると一気に勝機が減ります。
ファールの後は相手のフリーボールなので、これほど有利なことはありません。
つまり、ファールをすることは、ビリヤードでは負けに直結します。
ナインボールでファールをしないためには、何に気をつけるべきなのでしょうか。
1. スクラッチ
手玉をポケットしてしまうことをスクラッチと言い、ナインボールの最も起こりやすいファールの一つです。
手玉は、1ゲームで最も長い距離を動く球なので、6つもポケットがある台を考えた時、それは当然と言えます。
これは、手玉が的球と当たった後にどういった動きをするのか、ということを把握しておくことで回避出来ます。
的球をポケットしようとして撞いた場合、的球と手玉は法則に従った分離角で動きます。
分離角は、基本的には90度ですが、的球にあたる瞬間の手玉の回転によって、分離角が変化します。
手玉が前回転だった場合は、分離角が小さく、後回転だった場合は分離角が大きくなります。
ポイントは、押し球・引き球ではなくて、あたる瞬間の回転に依存するということです。
真撞きで無回転の球を撞いたつもりでも、的球に到達する頃には、ラシャとの摩擦によって前回転になっていることも多くあります。
引き球ですら、的球と手玉の距離、ショットスピードの関係で、最終的には前回転になります。
つまり、強い引き球の時以外は、90度以内の分離角で手玉が動いた時、その動きの先にポケットがないかを毎回必ず確認する必要があります。
2. スクラッチ回避の練習
スクラッチ回避の為には、上述したように手玉の動きを把握することが唯一の方法です。
その為に、練習時には手玉と的球を1つずつ置いて、的球をポケットさせるのと同時に手玉もポケットさせる練習をしてみてください。
要するに、わざとスクラッチする練習です。
ナインボールに使われるビリヤード台のポケットは、球2つ分の幅がありますので、わざとスクラッチさせるためには、手玉のコントロール誤差を球2つ以内に抑える必要があります。
上達すれば、これはなんなく出来るようになり、結果スクラッチ回避もできるようになります。
3. 球触り
その他のファールで気をつけるのは、球触りでしょう。
球触りは、撞きにくいポジションでブリッジを組んだときなどに起こります。
つまり、ブリッジの安定感に問題があることが多いようです。
撞きにくいポジションでのブリッジは、指だけで支えるオープンブリッジになることが多く、スタンダードブリッジに比べると著しく安定感が失われます。
練習時には、撞きやすい配置ばかりで練習してしまいがちですが、上達の為には、あえて撞きにくい配置を作ってブリッジを安定させる練習も行ってください。