ビリヤードにおけるインパクトとは、キューが手玉に触れる瞬間のことを指します。
この瞬間に手玉の動きがすべて決まる、と言っても過言ではなく、最重要ポイントです。
テイクバックやフォロースルーも、実は理想的なインパクトに近づけるために練習していることになります。
どういったインパクトが理想的なのかを見ていきましょう。
1. 重い球と軽い球
理想的なインパクトは、どういった球を撞きたいかによって変わります。
そして、ビリヤードで撞く球質には大きく分けて、重い球と軽い球があります。
重い、軽いという表現は、当然ながら実際の重さを示しているわけではありませんし、球の速い、遅いや球の強い、弱いを示しているわけではありません。
概念として重い、軽いという表現を使っていますが、より詳しくみると、手玉の回転度合いによります。
重い球は最小限しか回転していない球、軽い球はその逆です。
2. 重い球を撞きたい時のインパクト
重い球は、上述したように、最小限の回転しかかかっていない球です。
こういった球を撞くためには、インパクトの時間を長くする必要があります。
キューで手玉を押す、といったイメージを持つと良いでしょう。
こうすることによって、手玉とラシャの間に自然発生する、摩擦による前回転を最小限におさえる事ができるのです。
ただ、テイクバックからインパクト、フォロースルーというストロークの流れの中で、インパクトの瞬間に意識を持ちすぎると、その瞬間のキュースピードが突然上がってしまい、結果軽い球になってしまいます。
これを解決するためには、手玉を撞くイメージではく、手玉の少し先の方をめがけてキューを出す、という方法があります。
この方法は、フォロースルーの安定にも役立ちます。
また、理想的なビリヤードのフォームにおける利き腕の肘は、インパクトの瞬間に90度になっていることが理想ですが、ほんの数センチだけグリップの位置をキュー尻方向にずらし、インパクトの瞬間の角度を90度よりも少し大きい状況にする、という方法もあります。
練習時に上記方法を試し、重い球を撞くための自分にあったストロークを身につけ、上達に役立てましょう。
3. 軽い球を撞きたい時のインパクト
軽い球を撞きたい時は、上述した重い球の撞き方と逆だと考えて問題ありません。
これも当然ストロークの練習が必要ですので、しっかり軽い球を意識して練習しましょう。
4. 重い球と軽い球の使い分け
重い球と軽い球は、状況によって使い分けますが、初心者の頃は極力重い球を意識してください。
理由は、最小限の回転しかかからないので、手玉が安定しやすいからです。
また、軽い球に比べて、重い球の方が練習を必要とします。
上達するまでは、ブレイクから簡単なショットまで含めて、すべて重い球で撞こうと思うくらいで調度良いと思います。