ビリヤードにおいて、ストロークの安定は、上達につながる最も重要なことの一つです。
そして、ストロークの肝となるのが、肘です。
どのようなストロークが理想的なのか、練習では何に気をつければよいのかをみていきましょう。
1. 肘の位置
フォーム全体を見た時に、ブリッジ、キューを持っている手、そして肘の3点が作る三角形が、綺麗な直角三角形になっているのが理想です。
そのようになる場所に肘を持ってくることが大切です。
更に、いざ構えてキューを手玉の寸前まで持ってきた時の状態であるとき、肘の角度がほぼ90度になっている必要があります。
肘は、曲げているというよりは、重力に逆らわず、手がぶら下がっていると意識すると、無駄な力が入らなくて良いでしょう。
さらに細かく見ると、上述した直角三角形は、地面と垂直になっていることが理想的です。
ここが垂直でないのは、ストロークが真っ直ぐ出せない原因となります。
鏡などを使えば、正面から見たときに、その平面が地面に対して垂直になっているかどうかを確かめることができます。
2. 肘の動き
ビリヤード初心者のころは、肘を支点、手を振り子とみなした振り子運動「のみ」で全く問題ありません。
この場合、肘は支点なので、上下左右にも動かないということが大切です。素振り、ショット、フォロースルーまで絶対に動かないように心がけましょう。
3. 肘の上下の動き
上達してビリヤードの中級者以上になると、肘に上下の動きが加わります。ただし、これはキューを出した時のみで、引いた時は動きません。
なぜ上下の動きが必要になるのでしょうか。
それは、より長くキューを出すためです、キューを長く出せば出すほど、手玉にかかる回転は強くなります。
実際の動きですが、振り子運動から、そのまま自然に肘を下に落とすイメージです。
この場合も振り子運動のみの時と同じで、一連の動きが地面と垂直な一平面の中だけで完結するように、つまり横への動きが無いように気をつけましょう。
肘を上下する分だけ、ストローク全体の動きが大きくなるので、その分ブレも大きくなります。
ですから、上級者でも鋭い回転を手玉にかける必要がないときには、振り子運動のみにとどめておきます。
あくまで、鋭い回転が必要となるときのみに使いましょう。
4. 肘の位置が定まらない時
肘の位置が定まらない場合、その殆どは脇の締めすぎが原因です。つまり、脇から肩にかけて無駄な力が入っているということです。
脇をゆるめ、肩をリラックスしたあとに、重力に任せてキューをもてば、肘から手の直線は自ずと垂直になります。
練習時から脱力を心がけましょう。