クッションショットとは、的球に当てる前にクッションにいれて、的球を狙うショットのことです。
一度だけクッションをいれるのではなく、2回、3回とクッションに入れてから的球を狙うことをそれぞれ、ダブルクッションショット、トリプルクッションショットといいます。
クッションショットはクッションに跳ね返る角度、法則を知っていないと全く使えません。
上達の為に必要な、クッションショットでの必要な知識を見ていきましょう。
1. 入射角と反射角
日常における物理の簡単な法則と同じく、ビリヤード台のクッションも、基本的には同じ法則に従います。
それは、入射角と反射角は等しくなる、ということです。
つまり、レールを鏡と見立てたとき、鏡にうつった狙う位置と手玉を結んだ直線がクッションと交わるところが、狙うべきクッションの位置となります。
2. 角度を狂わせるもの
ところが、ビリヤードの場合、実はほとんどの場合入射角と反射角は等しくなりません。
それは、球体の性質と、クッションの構造に原因があります。
1. 球体の性質
ビリヤードは、手玉を含めすべて球体です。
球体はあらゆる方向に回転しやすい性質があります。
一番シンプルな前回転を考えてみましょう。
前回転のかかった手玉がクッションに跳ね返って、その方向を変えても、変わった方向への前回転が摩擦によってかかるまでのあいだは、方向が変わる前にかかっていた前回転が影響します。
前回転でクッションに入ったのならば、上記理由により、入射角よりも反射角が小さくなります。
後回転の場合は完全に逆現象がおきるので、入射角よりも反射角が大きくなります。
また、都合上撞点の右、左を撞くと、入射角と反射角の差はより大きくなります。
2. クッション構造
ビリヤード台のクッションは、球が強くクッションに入れば入るほど、反射角が大きくなるような構造になっています。
必要最小限の強さでクッションに入っても、この現象は起こるので、厳密に言えば入射角と反射角は等しくならず、反射角よりも大きくなります。
3. クッションショットの角度に関するまとめ
つまり、クッションショットを撞く際に予想するべき角度は、手玉の回転と強さによって、入射角と反射角が等しいという法則から外れていくので、難度が高いものになります。
さらに、手玉の回転も強さも、共に無断階の数字で、それが組み合わさってのことになるので、理論で考えることには限界があります。
練習段階では、入射角と反射角は同じと仮定してクッションショットを撞きます。
すると、その角度が等しくないのでミスすることになりますが、まずは無回転でクッションに入る撞き方をし、強さと角度のずれを身体で覚えましょう。
また、同じ強さでクッションに入る撞き方をし、手玉の上下左右を撞いて手玉に回転をかけ、それが角度にどの位影響するのかも練習段階で把握する必要があります。
初めはこれらを各々で練習し、上達したらこれらを織り交ぜて練習しましょう。